広島大学 大学院先端物質科学研究科 半導体集積科学専攻

コラム 

第0回 「ベルギービール」
 
藤島 実
 
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 自他共に認めるビール好きだ。普通の人が生涯飲むであろうビールの何倍(あるいは何十倍?)をすでに飲んでいるので、何も勉強していなくても「門前の小僧習わぬ経を読む」式には知っているのかもしれない。5年ほど前、ベルギーに2年ほど住んでいた。ビール好きだからベルギーを選んだわけではなかったのだが、ローカルビールが400種類(数え方によっては800種類)あると言われているぐらい種類が豊富である。ドイツビールのように、水と麦芽とホップしか使っちゃいけないという規制もなく、いろんな混ぜ物が施され、発酵過程も様々であり味は豊富である。フルーツカクテルではないのだが、フルーツをビールにつけ込んでいるのはクリーク。甘さはそれほどでもないが、適度な酸味が利いて女性に人気がある。ホワイトビールといえば、フーガルテンヴィッテ(日本ではなぜかヒューガルテンと呼ばれている)。見た目は、カルピスソーダとビールの中間くらいで、味も甘くないカルピスソーダという感じ、苦味はほとんどなく、やはり女性に人気。ホワイトビールは、日本ではあまりお目にかかったことがないと思っていたら、帰国後、銀河高原ビールからホワイトビールが買えることを知った。ベルギーでは修道院でもビールが作られているが、苦いと言えば、修道院ビールのオルバルがある。オルバルは、グラマーで魅力的なボトルに入っている。その色黒の苦さの中に含まれる風味が、慣れてくると病みつきになりそうなビールである。重たく、出来損ないのワイングラスのようなオルバル用グラスの重量感とともに、その味から硬派な男性向きか。ベルギービールと言えば、フラスコのような形をしたグラスで有名なクワックがある。名前の由来は、飲みにくいフラスコの底に残った最後のビールを「バシャッ」とこぼしてしまう擬音とベルギー人から教わった。味は甘めで、特においしいとは感じないが、その印象的なグラスのため観光客に人気のビールだ。個人的には、クセがなく、アルコール度数の高いベルギービール独特の香りの楽しめるデュベルとデリリウムトレメンスが好みだ。デュベルの意味は悪魔。飲みすぎて体をこわす魔性の意味らしい。非常に泡立ちがよく、アルコール度数は少し高め(6.5%)だが、そのアルコール度数以上に酔いが回ってしまうビールである。330mlのビンを4杯以上飲むのは危険といわれたことがあるが、確かに4杯も飲むと相当に酔っ払う。デリリウムトレメンスは、ピンクの象のかわいらしい絵のグラスで飲むビールで、一見お子様にも喜ばれそうなデザインだが、その名前の意味は「アルコール中毒による幻覚」。つまり、このビールを飲むとピンクの象さんが目の前に歩き出すということらしい。アルコール度数はデュベルより高めで9%あり、2杯以上は危険で飲んだことがない。これもアルコール度数以上に酔うビールである。
 
 話せばキリがなくなるほど、個性的なビールぞろいだ。最近はインターネットが発達しているので、飲まなくても情報を収集することができるが、「百聞は一飲に如かず」です。
   
 
 
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