広島大学 大学院先端物質科学研究科 半導体集積科学専攻

コラム   

第29回 「家庭菜園の勧め」
 
菊地原 秀行
 
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 私は10数年前から家庭菜園が一番の趣味である。と言っても、20数年前に他界した父から受け継いだ土地、約500坪の広さがある菜園(畑)なので、立派な兼業農家かも知れません。このセルフ・ポートレートは、ジャガイモの畝をバックに自分で撮影したものです。
 本コラムに家庭菜園のことを書こうと決めたのは良いが、栽培している野菜の全てについて書くにはスペースが足りないので、丁度、ジャガイモの収穫に重なったので、ジャガイモの栽培と収穫について書きます。
 一般的に野菜の栽培は手間がかかります。勿論、私は、自給自足が原則で、無農薬、有機栽培をモットーにしているので、土作り、日常の水やりと追肥、病虫害対策、特に初夏から真夏の雑草対策=草むしりが大変なのです。しかし、ジャガイモは比較的手間がかかりません。春のお彼岸の頃に種付けしますが、その数週間前に十分な鶏糞と肥料を土に与えて耕耘しておきます。後で、追肥が必要ない程度の肥料の量が重要ですが、量は経験で決めています。次に土を盛り上げ、畝(うね:細長く直線状に土を盛り上げた所のこと)を作って、黒マルチ(遮光性のある黒いビニールで、雑草の抑制に最適です)で覆います。これで雑草対策が万全となり、何度か行う土寄せの手間が省けることになります。この畝に30~40㎝間隔で、直径10cm程度の穴を開けます。この穴に手で深さ20cm位の縦穴を掘って、種付けします。その際には、種イモを適当な大きさに切り分けますが、私は、10キログラムの種イモ(北明かりが、加熱料理で直ぐ柔らかくなるので家内の評判が良いです)を購入し、240個程度の大きさに切り分けます。種付け後は、若芽が沢山出て来るので、10cm~15cmほどの高さまで芽がでたところで、1つの穴に芽が1本立ちするように元気の良い芽を残して間引きます。決して、間引くのを惜しんではいけません。後は、芽が順調に育って、茎が1m~1.5mほど生長したころで花が咲き、6月中下旬頃の収穫を待つばかりとなります。下の写真が収穫の少し前のジャガイモの畝です。

 ジャガイモの花が散り、茎が完全に枯れたら収穫OKとなります。収穫作業は、梅雨の合間を狙って行いますが、晴天でなく、曇天が最適です。理由は、日光にジャガイモが長時間当たると、腐食が早まり、保存が難しくなるからです。下の写真は収穫したばかりの新ジャガイモですが、折角でしたから一緒に収穫したタマネギも写しました。写真中央の大きなイモがおよそ横10cm、縦7cm、重さ300gです。なお、タマネギは直径10cm、重さ400gでした。これらが標準的な大きさですが、市場に出回っているものに比べればかなり大きいです。

 全体の収穫量は、10キログラムの種イモからその約10倍、100キログラム以上の新ジャガイモが収穫できます。保存は、風通り良い暗い納屋に並べて置けば(通気性のある袋でも良いようです)約1年間は食べられます。要は完全自給自足です。なお、タマネギの栽培は、ジャガイモよりは手間と期間が掛かりますが、別の機会にまた紹介します。
 最後に、野菜作りを楽しみ、成功させるコツをお教えします。それは、手間と工夫、また時間を掛けること、それらを決して惜しまないことです。勿論、これらは何事にも通じることですが、中々難しいことでもあります。学業、仕事、子育て、etc。 是非、皆さんも家庭菜園にチャレンジしてみては如何でしょうか? 多分、人生を10倍楽しむことができます。

 ところで、私は、神奈川県相模原市に居を構え、畑も自宅近くにあります。ここ西条の気候は朝夕の寒暖差が激しく、野菜の栽培には絶好で、多分、美味しい野菜が沢山取れると思います。私も機会があったら、西条の地で一度は野菜栽培に挑戦できたらと思います。

(2011/6/24)


 


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