広島大学 大学院先端物質科学研究科 半導体集積科学専攻

第115回 「家族への感謝を忘れずに」
 
銭谷 宙
博士課程前期2年
HiSIM研究センター


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 皆さんこんにちは。半導体集積科学博士課程前期2年の銭谷宙です。今回初めて半導体専攻のコラムを担当させていただきました。今回のコラムでは、私の祖母の話をさせていただこうと思います。私は4人家族の次男ですが、実際にこの家族4人で暮らしたのは私が5歳になるくらい迄で、それ以降は父方の祖母に引き取られ、広島大学に進学するまでずっと祖母と二人暮らしでした。一般に「おばあちゃん」と言えば、優しくて甘やかしてくれる存在と言うのが普通かもしれませんが、私の祖母は何事にも厳しく、義理や礼儀を重んじる人でした。私はその祖母の古臭い考え方が嫌で、大学は実家の大阪以外の所に行って一人暮らしをしようと思っていました。しかしながら、実際に広島に来て一人暮らしをしていると家族の暖かさや有難さを思い知り、嫌悪していたはずの祖母がどれほど私のために色々やっていてくれていたのかを痛感させられました。


  そんな祖母が、つい先日消化器疾患で緊急手術を受けると言う事実を親戚から聞かされ、私は急遽大阪に帰りました。病院のICUに入ると、そこにはいろんなチューブをつけられ、ベッドに縛り付けられ、意識が朦朧としている祖母の姿がありました。執刀医の先生の話だと、大腸が壊死しており、大腸全摘出と人工肛門の構築手術はできたが、小腸まで壊死が進行すれば祖母はもう助からないと言われました。その時、自分の無力さと祖母を大阪に一人で置いてきてしまったという後ろめたさで体が震えたのを覚えています。しかし幸運なことに、その後祖母は劇的な回復をみせ、今はリハビリにも取り組めるくらいに回復しています。けれども、もし私が祖母にもっと気を配っていれば、早く病院に行かせてあげていればこんな状況にはならなかったのでは、という後悔はやはり尽きません。


  この一連の事で、思い知らされたことがあります。それは家族に感謝の気持ちを伝えることを忘れるなと言うことです。ありきたりな内容ですが、これは意外と皆さんがやっていないことだと思います。そういう人は、家族が急に危篤で会話もできないような状況になった時、今回の私のように後悔の念に駆られるかもしれません。母の日や父の日、誕生日、それ以外でも何でもいいです。ほんの少しでいいので家族への感謝の気持ちを伝えてあげてください。これは自分にとっても家族にとっても、きっと良いことだと思います。
 

 

(2015/04/22)


 

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