広島大学 大学院先端物質科学研究科 半導体集積科学専攻

Hans Jürgen Mattauschは機能メモリの基本設計と知能システムへの応用について研究を行っている。研究の内容を下記に簡単に紹介する。

広帯域幅対応の小面積Nポートメモリ

590 Gbps アクセスバンド幅を有する、90nm CMOS 技術で設計された、階層型16ポートSRAM。

590 Gbps アクセスバンド幅を有する、90nm CMOS 技術で設計された、階層型16ポートSRAM。

全てのポートから同時に書き込み/読み込みを行うことができるNポート(多ポート)メモリでは、低い周波数であってもレイテンシィを伴うことなく高周波領域の帯域幅を得られる利点がある。そこで相反する2つの要求、(i) 1ポート当たりの占める回路面積の削減と (ii) 低アクセス衝突確率、のトレードオフを最適化できる新しい Nポートメモリアーキテクチャの開発を行っている。広い帯域幅を持ち、面積効率の高いNポートメモリは、人間的要素を備えたメモリベースコンピュータのための新しいアーキテクチャの基本構成要素となり得るものと考えられる。また、ナノメータスケールのデザインルールにおいては、メモリの信頼性がチャレンジングな課題の一つであり、そこでメモリの信頼性に与える製造ばらつきの影響に関する研究も行っている。

最小距離検索機能を備え持つ高速連想メモリ

140 GOPS パフォーマンスを有する、350nm CMOS 技術で設計された、最小Euclidean距離を検索する連想メモリ。

140 GOPS パフォーマンスを有する、350nm CMOS 技術で設計された、最小Euclidean距離を検索する連想メモリ。

知的データ処理のための重要な基本構成要素として、入力データワードとメモリに記憶された複数の参照用データワードとの最小距離を検索する機能を持つ連想メモリがある。特にリアルタイム認識や学習システムのためには、非常大きな値の最小距離のパターンマッチングを高速に実行することが必要となる。本プロジェクトでは、面積効率の良い方法で参照用データが記憶されているメモリ内に全ての機能を集積することを目的とし、パターンマッチングの機能を実現するためにアナログ・ディジタル融合回路や距離を時間領域にマッピングするなどの様々な新しいコンセプトを探求している。更に、完全な知能情報処理システムを構築するための連想メモリベースの学習機能に関する研究も行っている。

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