広島大学 大学院先端物質科学研究科 半導体集積科学専攻

コラム   

第69回 「海外での盗難に注意」
 
横山 新
教授
ナノデバイス・バイオ融合科学研究所


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 2012年4月、海外出張中に個人情報や学生の成績の入ったパソコンを盗まれ、訓告、罰金10万円、昇給1回停止という重い処分を受けた。実名こそなかったが朝日新聞にも掲載された。後始末の経過報告書、1000名におよぶ学生への謝罪手紙の発送など、事務員の方々および研究所のセキュリティ委員の先生には大変お世話になり、改めてお詫びいたします。ランチ中に高椅子の足元においたバックパックごと盗まれた(写真が実際の現場)。このような事が二度と再発しないよう、読者の方々に注意を促す目的で敢えて恥をさらす。まず、心構えとして、「自分は大丈夫」という考えは禁物である。特に日本人は安全な環境に慣れきっているため、犯罪者から見ればすきだらけであり、付け狙われたらひとたまりもない。以前は人通りの少ない場所でホールドアップされ所持金を巻き上げられるなど、危険な場所に行かなければ防げる犯罪が多かった。しかし最近は、苦しんでいるふりをする妊婦を、親切心で介抱しているすきに荷物を盗まれたり、電車のドアが閉まる寸前に車内で使用中のスマートフォンをひったくって逃げる、ホテルのロビーでチェックイン/アウト中に特殊な構造のカバーバッグを他人のバッグにかぶせて持ち逃げするなど、手口が高度化し、一瞬でも荷物から目を離すとどこにいても被害に会うようになった。私の愛用しているウェストポーチも、「ここに獲物がありますよ」と宣伝しているようなものである。麻薬取締の私服刑事と称してウェストポーチの中身を検閲し、財布からお札を抜き取られたこともある。対策として大事なことは、(1)必要最小限のものだけを目につかないように、かつ確実に紐等で身体に固定して持ち歩くこと。多少不便でも、(2)個人情報や学生の成績の入ったパソコンは出張には持っていかない。(3)犯罪者が盗みたくなるような高価なものは人目に触れるところに曝さないことである。狭い日本に留まって仕事ができる時代ではなくなった。今後海外にでる機会が益々増えると思う。くれぐれも盗難に会わぬよう注意を怠りなく。

     




(2013/5/16)




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