広島大学 大学院先端物質科学研究科 半導体集積科学専攻

コラム   

第119回 「宝の持ち腐れ」
 
吉田 毅
准教授
先端集積システム工学研究室
 
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 「弘法筆を択ばず」,下手な人が道具や材料のせいにするのを戒めた言葉がありますが,個人的には可能な限り良い道具を使うほうが良いと考えています.例えば,SiウェハやLSIチップをハンドリングするとき,先端がしっかりと一致して,しなりのないピンセットを使うと,驚くほどストレス無く作業を行うことが出来ます.またチャンバーのボルトやナットを締めるときも,ねじに簡単にアクセスできて且つ遊びがないレンチを使うと,効率よく作業を行うことが出来ます.最初から良い道具を使っていれば,うまくいかない理由は全て自分のせいですから,後は自分の腕を磨くのみです.
 最近購入した道具は須和田製作所の子供用ニッパー型つめ切りです.硬いステンレス鋼で切れ味良く,しかも赤ちゃん用に刃先が丸くなっており,肌を傷つけないように工夫がされています.試しに自分の爪を切ってみると確かに良く切れます.しかし,いざ子供の爪を切ろうとすると,予測不能な動きをするし,小さすぎて(怖くて)切れません.折角,子供のためにと言い訳をして購入したのですが,自分の腕が未熟なせいで,お蔵入りになってしまいました.さて,自分の腕が上がるのが先か,子供の手が大きくなるのが先か.


(2015/07/07)


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